こども・おとなのアトピー治療

つらいアトピーの症状

手足や顔、お腹、背中にポツポツとできるアトピー。
かきくずして傷あとになったり、夜も眠れないくらい痒かったりして困っていませんか??

季節の変わり目や、ジメジメしている時期にはぐじゅぐじゅになって、乾燥する秋・冬はカサカサしてきます。とても痒くて、かきすぎてヒリヒリして、かさぶたが出来たら気になって取ってしまう。お子さんの場合はかかないようにするのも大変で、親御さんが夜中も起きてなでるようにかいてあげることもしばしばでしょう。

この症状のつらさは、アトピーにかかったことのある方にしか分かりません。
先天的な体質だったり、アレルギーを持っている、後天的に出て来た、など要因も様々ですが、その症状は、軽い方もいれば重い方も、全身や一か所だけ・まばらに出ている方も、どなたも大変つらい思いをしていらっしゃるのではないかと思います。

あるお子さんの症例(1)治療前の状態

私が診ているあるお子さんの症例ですが、夏に来院された時は身体のアトピーの症状がひどく、ものすごく痒がって、痛がって大変な状態でした。夜は、『かいてかいて』と言いお母さまは毎日さすってあげていました。睡眠時間は無いに等しい状態でした。

来院された時は赤ら顔で手足の状態もひどく『なんとかしたい』と言う気持ちで関わってきました。紗会に来る前にお医者さんからステロイドのお薬ももらっていたそうですが、ひどい時に塗ろうとすると『しみて』塗らせてくれないと言う状態だったそうで、お母さまは『できるだけ使いたくない』と言うお話でした。しかし、その時はもうかなりひどい状態が続いていたので、当面ステロイドも併用しつつ、「紫雲膏」と言う漢方の塗り薬と鍼灸治療で様子を見ていく事にしました。

あるお子さんの症例(2)鍼灸治療の例

治療のペースは週1で通っていただいています。症状は、変わらなかったり少し良くなったりまた悪くなったり、と一進一退の状態でしたので、お母さまと相談しながら、『漢方』の服用を試してみることにしました。その前も漢方は服用されていたようでしたが、私の知り合いにも漢方の先生がいましたので相談し、身体の中の熱を取るという処方でお薬を作っていただきました。

そのお薬を1カ月くらい飲んでもらったところ、やがて身体の熱が治まって、だんだんと乾燥の方が目立つ状態にまで改善がみられました。その後もお母さまと症状の度合いやお子さんの様子、保育園でのお話などよく話し合い、一緒になってあらゆる改善策を探してきました。(この記事に載せきれないくらい、たくさんの治療を試みました。)

あるお子さんの症例(3)鍼灸治療の効果

今では、乾燥だけで夜の痒みもまだまだありますが以前とは全く違います。ステロイドのお薬は今は一切使っていません。

秋口になるとやはり乾燥が強いので、まだ「痒くて眠れない」、と訴えることもあるようですが、今までの癖のようなものもあるかもしれない、とお母さまとお話しています。(寝言で『かいて』と言うこともあるそうです。)また、お風呂に入るのを嫌がっていましたが、それは『身体がしみる、痛い』からだったそうです。良くなってきてからは、お風呂に入ってくれるようになったそうです。

お母さまも本当に熱心にいろんな処置をしてくださっていて、今は大分良い状態になっています。お母さまからも『鍼も、それ以外にもいろんな事をしてきましたが、本当に今までで1番良い状態です。風邪もひかなくなりました。』と言って下さいました。

ちなみに、お子さんの治療と一緒にお母さまも治療させていただいていました。最近は、お母さまのお身体も調子が良いそうです。やはりお子さんの表情を見ていると本当に心が洗われますし、お子さんの笑顔は元気にさせてくれます。親子で健康でいるのが1番だと思います。まだまだ治療は必要ですが、確実に改善に向かっているのが、何よりうれしい事です。

また、お母さまとのお話の中で、たくさん共感するとともに、私自身が多くのことを学ばせていただきました。心から感謝しています。

子どものアトピーの鍼灸治療の流れ

この患者さんの他にも、何人かアトピーのお子さんの治療をしてきました。症状はかきくずしや乾燥など様々でしたが、治療の流れについてお話をしたいと思います。

まずは、お子さんとご家族のお話を、生活習慣を含めて問診します。
次に、ベッドで下着のみになっていただき、お身体や脈の状態を診ます。
それらを踏まえて治療方針を決めて、治療をスタートします。

治療時間はお子さんの場合5分程度です。お腹、手足、背中と全身を小児専用の鍼で、なでたり、とんとんとやさしく刺激したり、少し皮膚の上に接触させたりします。鍼は、とがったものではなく、先のまぁるいものを使います。(色々な小児専用の鍼がありますので、治療に入る前にお見せします。)来院されたお子さんはほとんど、表情が柔らかい感じになります。お子さんなりに気持ち良いのだと思います。

例えば、アトピーの治療で来院された3歳のお子さんは、皮膚の柔らかいところに症状が出ていました。週1ペースで来院されましたが、2回目くらいから皮膚の状態が良くなっているのが分かりました。治療中はとてもおとなしく目をとろ~んとさせていたのが印象的です。5回の治療で良くなり、その後は来院されていません。

おとなのアトピーも、同じ考え方で治療します

アトピーの治療は、こどもでも大人でも、中学生でも高校生でも、基本的にはみな同じ考え方で行います。

中学生はただでさえ特にニキビのようなデキものが多くできやすい時期です(私もそうでした)。それは、エネルギーが溢れていて、中に熱がこもっている状態(炎症)なので、それを外に出してあげる事が必要になってきます。鍼でとんとんと優しく刺激し、エネルギーを外に散して皮膚のバランスを整えます。ひどい症状だからと言って、強刺激ではありません。

症状がひどく、ステロイドを使用せざるを得ない状態でも、だんだんとそれを手放せるようになってきます。それまで治療も丁寧に行いますし、しっかりとサポートします。アトピーは治らないと言われているかもしれませんが、根本的に、じっくりと根気よく向き合えば症状は改善していくのです。

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